好きな会社が外国に買われて決算のニュース。あの浪花節的な人情はどこかで生き続けて欲しい。

バブル期。

大学四年生の私は、ある企業に就職を決めた。

幾つか内定を頂いた中、

きちんと使ってくれそうだったから。

 

 

 

で、10月1日。

その日は内定者は囲い込まれる日だった。

 

 

 

会社で話を聞くうちに、

仕事の夢は膨らんだけど、

どうやらその会社は、

かなりハードな勤務状況で、

通えない場所では全く無いけれど、

寮生活の方が楽であること、

会社も寮生活を勧めていること(まぁ、半ば強制)を知った。

 

 

 

 

ハードな勤務状況は、

望むところだったのだけど、

その寮生活に一抹の不安を感じた。

 

 

 

 

甘い、甘いんだけどね。

 

 

 

寮の部屋は個室だけれど、

共同風呂に共同トイレ、

疲れた身体に、

共用スペースでの時間が長くなりそうな予感。

 

 

 

対人関係が今ひとつ自信ない私は、

やれるんだろうかと、

不安を持ちながら帰って来た。

 

 

 

結局…

私は、

内定者を集めて就職の意思を確認するあの日に、

「どこかの企業に今日は行ってらっしゃいますよね?でも、もし、うちに興味があればご連絡ください」

不在だろう私に、

そのとおり不在だった私に、

電話をくれた会社に就職を決めることになる。

 

 

 

 

あの頃。

「24時間戦えますか?ビジネスマーン!ビジネスマーン!ジャパニーズビジネスマーン!」

リゲインのCMが流行ったのが、

昭和の終わり。

私が大学1年生の頃だった。

 

 

 

今のブラック企業とは違い、

働けば、しっかり見返りも見込めるという…24時間戦えば、

何かを掴むことができた。

 

 

 

もちろん、戦えなければ掴めないけど。

 

 

 

 

実力が認められる時代。

うーん。

実力以下でも重宝される時代。

夢ばかり見れた時代。

 

 

 

就職先は選び放題で、

って、私は第一志望は落ちたんだけどね。

1000倍近かったらしい…

まぁ、それは仕方ないww

 

 

 

何が言いたかったんだっけ…

 

 

 

そう。

ここで働きたい!

そう思ったあの会社が、

他の国に買われた。

 

 

 

あの古き良き社風は、

どうなったのだろう。

 

 

 

結局、縁は無かったのだけれど、

人事の方、

リクルーターの先輩、

誰にあっても、

人情味があって、

素晴らしかった。

 

 

 

その「人」を重んじる社風が、

グローバル企業として生き残るためには、

浪花節過ぎて、

合理的で無かったりして、

競争に勝てなかったのでは無かったかと。

 

 

 

 

なんとなくそんなことぼんやり思ってて、

「企業は人だ」

とよく言うけれど、

それだけじゃないよなと、

この世知辛い時勢を見つつ、

嚙みしめる昨今。

 

 

 

シャープ。

本当に良い会社。

人情が熱い会社。

上手く復活してほしいと、

心から思う。